2017/07/29

アナログスカルプト

蝉がけたたましく鳴き始め、ついに夏本番という今日此の頃、いかがおすごしでしょうか。
こんにちは、外に出たくないアースカントリー55号です。

突然ですが、最近粘土造形を始めました。
インドアでできる新たな趣味の開拓です。
普段はパソコンの中で造形を行うデジタルスカルプトばかりやっていますが、
アナログに立ち返ってみると何か得るものがあるかもしれません。


まずは素材の準備。
粘土はスカルピーを使用します。
「スカルピー」は、樹脂でできた粘土。
熱を加えることで硬化させることができますが、焼成するまでは固まることなく、
何度でも形を変えることが可能な非常に扱いやすい粘土です。

また、手が汚れたりベタベタすることもないので、
お部屋を汚してお母さんに怒られる心配もありません。

色々な種類があり、それぞれ色や硬さ、焼成後の加工のしやすさなどに違いがあるようですが、
今回はグレースカルピーを用意しました。
色あいが形を把握しやすそうなのと、なんとなくプロっぽくてカッコイイので。

その他に基本的な道具としてスパチュラのセットと、芯に使うアルミ線を準備。
お値段しめて6,000円ほどの初期費用。

スパチュラは先端の尖ったものが多いので、扱いには注意が必要です。


















なに作ろっかなーと粘土をねりねり。
手始めに人間の頭部を作ってみます。


まずアルミ線に粘土を盛ります。






















細部を詰めます。





















あっという間にできました。
嘘です。

とにかく難しい。
細かい部分は作りにくいし、左右のバランス崩れるし、
子供たちから「誰これwww」とか煽られるし。

なかでも一番もどかしかったは、やり直しができないこと。
うっかり道具が当たって微妙に形が変わってしまい、
無意識に左手が見えないCtrl+Zの位置に伸びたときは「あ、俺の頭やべぇ」と思いました。
アンドゥは偉大です。


まだまだ形のおかしなところはあるものの、一度全行程を試したかったので、
この状態で焼いてみることにしました。

焼成はオーブントースターで行います。
我が家の上長にお願いし、使い古したオーブントースターさんに調理場担当を降りていただきました。

ひとり寂しく焼かれる名も無きおじさん。


















130℃で粘土の厚みが6mmにつき15分焼くのが目安のようですが、
オーブントースターの熱線が直接当たらないよう、少し庫内を改造したので、
160℃で20分ほど焼きました。
扉の表記ではだいたい冷凍ピザと同じくらいです。

焼成中は香ばしいような、甘いような、
それでいてなんとも体に悪そうな匂いがしてきます。


そして無事焼き上がり、熱も冷めて硬化に成功しました。
焼成前と比べて、艶がなくなり、全体的にマットな質感に。



















成功の喜びを抑えきれず小躍りしながらパシャパシャ撮影してたら、
おじさんが倒れて左耳が欠けたので、萎えました。
制作物の破損にはアナログもデジタルも細心の注意が必要ですね。


今回ほぼ初めて粘土造形を行ったので、難しく感じることが多かったですが、
実際に手に取り触って形を把握できるという点は
デジタルスカルプトにはない強みですね。
アナログにもデジタルにもそれぞれ異なるメリットがあることを
身をもって知ることができました。

とはいえ、今ではデジタルスカルプトしたものを3Dプリントすることで
実際に触ることも可能ですし、
便利な機能が次々と生まれているので、個人的にはデジタルスカルプトのほうが
一枚上手かなぁという印象です。

形を掴む基礎能力のアップには役立ちそうなので、今後も続けていこうと思います。
次は女の子を作ろうかなー。